開咬(かいこう)
開咬
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治療前
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治療中
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治療後
咬んだとき、奥歯しか咬み合わず、前歯は上下に開いた状態になっている歯並びで開咬(かいこう) という不正咬合です。上下の前歯の間から舌を前へ突き出すくせがついている事が多く、舌の悪習癖は治療後の後戻りに大きく関係しているため、歯の治療とともに舌訓練も行います。
この患者さんは、前歯がかみ合っていないため他の歯科医院から紹介を受け、16歳で来院されました。開咬、歯のがたがた、口元の突出がありました。そこで、マルチブラケット装置を使用し、上下顎左右1本ずつ抜歯を行い、そのスペースに歯を並べてがたがたを治すのと同時に前歯を後退させることで口元の突出と開咬を治しました。咬み合わせをできるだけ深くするため、顎間ゴムも使用して頂きました。
・治療期間は2年10ヶ月で、治療後に舌訓練を行いました。
・治療費は総額 約110万円(税抜)です。(検査料・診断料・装置料・調節料・観察料等、矯正治療にかかった全ての料金の総額です。)
本症例における治療のリスクや副作用
・矯正治療では、患者さんの協力が必要な矯正装置を使用する事があり、その使用状況が治療結果や治療期間に影響を及ぼします。特に開咬では、顎間ゴムという装置をよく使用しますので、使用して頂けない場合は治療が困難な事があります。
・開咬の方は元々顎関節に問題のある場合が多く、治療中に顎関節症の症状や顎関節の位置変化等の問題が生じた場合には、いったん治療を中断したり、当初予定した治療計画を変更しなければならない可能性があります。そのため、治療期間が長期間かかる事があります。また、顎関節の問題が大きい場合は、開咬を十分に治すのは困難となる事もあります。
・開咬は、個々の患者さんの顎関節、舌や扁桃腺、気道の形態等の解剖学的形態が大きく関係しており、予後の安定の難しい歯並びと言われています。また、治療後も舌の突出癖などの悪習癖が残っている事が多く、後戻りの原因となりやすいため、舌訓練や長期の保定が必要となります。
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